東京都文京区駒込にある六義園は、徳川綱吉の側用人、柳沢吉保が綱吉から授かった地に造園した日本庭園です。「小石川後楽園」と並び、江戸2代庭園に数えられる名園には、辺り一帯を一望できる丘や、桜や紅葉などさまざまな見どころがあります。
そこで、春・夏・秋・冬、それぞれの季節に六義園を訪ねたことがある王子さんぽ目線で、見どころや魅力をお伝えしていきます!
桜や紅葉の名所!六義園の歴史を解説
六義園は、1695年に徳川綱吉の側用人だった柳沢吉保によって造園された庭園です。当時庭園内に建てられていた御殿を六義館だったことから、庭園は六義園と称されるようになりました。
日本庭園として最高の名園といわれる「桂離宮」の庭園様式を採用した回遊式築山泉水庭園は、元禄時代の明るい世相を反映した代表的な大名庭園です。
明治時代に入り、三菱創設者の岩崎弥太郎の所有となった後、六義園は東京都に寄付。昭和13年は一般公開、昭和28年3月31日には国指定の特別名勝に指定されています。
都心で式の移り変わりを体感できる美しい庭園は、一度は足を運んでみたい東京を代表する景勝地です。
六義園のアクセス情報
六義園は、JR・東京メトロの駒込駅が最寄り駅です。駅から徒歩5分ほどの場所にあり、庭園までは目印になる標識が多いため、初めて訪れる方でも比較的迷わずにたどり着けます。
なお、駐輪スペースは完備されているため、自転車でも比較的アクセスしやすい点が魅力です。
自家用車やレンターカーで訪れた方は、タイムズ本駒込15をはじめとする周辺の有料駐車場を活用するのが良いでしょう。
- JR駒込駅から徒歩5分
- 東京メトロ南北線 駒込駅から徒歩5分
- 都営三田線 千石駅から徒歩10分
六義園の利用情報
六義園の営業時間は、9時00分~17時00分(入園は16時30分まで)となっています。桜や紅葉の季節には夜にライトアップが開催されることがあるため、公式ページで確認しましょう。
また、利用料金は、一般300円、65歳以上150円、年間パスポートは一般1,200円、65歳以上600円。お得に入園したい方は、無料公開日の5月4日(みどりの日)や10月1日(都民の日)を狙うのがおすすめです。
なお、年末年始の (12月29日~翌年1月1日)は、休園日なので事前に確認しておきましょう。
庭園内の見どころを解説!六義園を散策しよう
六義園は、東京ドーム2つ分に匹敵するほどの広さを誇る雄大な景勝地です。都心部の庭園とは思えない豊かな自然を求めて、連日多くの観光客が訪れています。
そんな六義園の名物スポットや見どころを何度も通っている王子さんぽ目線で解説。広い庭園内を効率よく巡るための参考にしてみましょう。
【六義園・見どころ1】春に咲き誇る美しい桜の木々
四季折々の景色を楽しめる六義園の中でも、大きな見どころの一つが春の桜です。特に正面門を入ってすぐの場所に植えられている「しだれ桜」は、広い園内でも随一の名所になっています。
毎年3月下旬に満開を迎えるしだれ桜は、六義園春の風物詩というのにふさわしい美しさです。時期によっては夜のライトアップも行われます。
六義園内には、たくさんの桜の木が植えられています。庭園内に植えられているソメイヨシノは、しだれ桜よりピークを迎えるのが遅いため、万が一しだれ桜の満開に間に合わなかったときでも、花見を楽しめます。
【六義園・見どころ2】庭園を一望できる絶景スポット「藤代峠」
六義園の「藤代峠」は、標高35mほどの小高い丘です。江戸時代には富士見山とも呼ばれ、富士山を眺めることもできた丘は、六義園屈指の絶景ポイントです。
藤代峠の頂上までは坂道と階段があるので、歩きやすい靴を履いていくのをおすすめします。
藤代峠中腹からでも、庭園を一望できる景色が広がります。中腹でこの景色なので、頂上からの長めにも期待が膨らみます。
藤代峠からは六義園全体を見晴らせる絶景を楽しめます。春には桜、夏には新緑、秋には紅葉と四季折々移り変わる庭園の景色の全容をじっくり眺められるのが見どころです。
なお、頂上は撮影スポットとしても人気なので、撮影待ちの方がいる場合、景色を眺めたり、撮影したりした後は、譲るようにしましょう。
【六義園・見どころ3】庭園内の茶屋で一休み
六義園の見どころの一つが、庭園内に点在している茶屋です。「吹上茶屋」は、六義園内で茶菓子を食べながら一休みしたい方にぴったりなスポット。
目の前に広がる美しい池を眺めながら、茶菓子や抹茶を堪能する贅沢な時間を過ごせます。私が訪れたときは、海外からの観光客がくつろぐ姿が印象的でした。
六義園散策の途中に、木陰で一休みをしたいなら「滝見茶屋」がおすすめです。すぐそばには水辺があり、木々に囲まれた滝見茶屋は、夏場に訪れるとひんやりとした心地よさを感じられます。
岩の間から流れ落ちる水音に耳を傾けながら過ごす、静寂のひとときが日々の喧騒を忘れさせてくれますよ。
「つつじ茶屋」は、明治時代につつじの古木材を使用して建てられた歴史ある建築です。戦火を逃れて、今にその姿を残している茶屋は、庭園散策の休憩スポットにぴったり。
秋になると茶屋周辺の木々が一斉に色づく紅葉の穴場スポットとしても注目です。
【六義園・見どころ4】湖畔から眺める絶景
庭園の中央にある大泉水の池畔からは、都心とは思えない風情ある景色を眺められます。目の前にある蓬莱島や中之島の景色が印象的な「出汐湊」をはじめ、元禄文化の明るくおおらかな気風を反映した大名庭園の景色をじっくり鑑賞しましょう。
「和歌のうら 芦辺の田鶴の鳴声に 夜わたる月の 影そさひしき」という和歌が名前の元になった「渡月橋」。実際に渡すことができる池沿いの名所の一つです。
渡月橋越しに眺める六義園全体の風景は、自然の雄大さと庭園の歴史を感じさせます。
六義園を歩いていると見掛ける石灯籠は、重厚感ある佇まいが印象的です。古くから親しまれ続ける大名庭園の雰囲気にぴったりな石灯籠は撮影スポットとしておすすめ。
日本三名園に数えられる「兼六園」の名所「徽軫灯籠(ことじとうろう)」と比べても引けを取らないほどの景色を楽しみましょう。
【六義園・見どころ5】秋ならではの紅葉
六義園を訪れるのに王子さんぽがおすすめする季節が秋です。夏の暑さが和らぎ、歩きやすい秋晴れの日に見る紅葉は、爽やかながら情緒的な雰囲気を感じられます。
紅葉シーズンには多くの観光客が訪れますが、東京ドーム2個分にも及ぶ広大な敷地のため、人の多さも気になりませんでした。
庭園内をじっくり巡って自分だけのお気に入り紅葉スポットを探してみましょう。
紅葉シーズンには、期間限定でライトアップが行われることがあります。庭園を真っ赤に染め上げる紅葉を夜の黒色の中に浮かび上がらせるライトアップは幻想的です。
2023年の紅葉ライトアップでは、フォトスポットの設置やプロジェクションマッピングなど、ライトアップの他にも見どころが満載。普段は入園できない夜間の六義園を楽しめるのも大きな魅力です。
六義園周辺も見どころ満載!注目スポットを解説
六義園のある駒込駅周辺には、さまざまな観光スポットが点在しています。六義園と合わせて足を運んで欲しいおすすめスポットを駒込を知り尽くした王子さんぽとともに、みていきましょう。
ご利益のある隠れた名所「駒込天祖神社」
六義園から徒歩5分の「駒込天祖神社」は、鎌倉幕府の将軍として知られる源頼朝ゆかりのパワースポットです。境内の見どころは戦火の焼失から再建されたコンクリート造りの本殿。
祭神に天照皇大神を祀っている神社では、五穀豊穣や開運、厄除けなどのご利益にあやかれます。
また、境内には桜の木が植えられているため、春には絨毯のようにピンク色の花弁が敷き詰められた参道を歩いて、本殿まで迎えます。
洋館とバラのコラボレーション!「旧古河庭園」
六義園のある駒込エリアでも随一の観光スポットが「旧古河庭園」です。「カミソリ大臣」として恐れられた陸奥宗光の邸宅を古河家が引き継がれた後、ジョサイア・コンドル博士によって新たに設計された洋館&洋風庭園は、異国を訪れたかのような景色を楽しめます。
特に、春と秋の2回開催される「バラフェスティバル」は、県外からも観光客が訪れるほどの人気です。
六義園にも引けを取らない日本庭園も旧古河庭園の見どころです。バラが植えられている庭園や洋館の影に隠れがちな穴場ですが、訪れた際はぜひ足を運んでみてください。
六義園の美しい景色を楽しめる方なら、きっとお気に入りの場所になるはずです。
見どころを押さえて六義園の自然を鑑賞しよう
広い敷地の六義園は、庭園内の見どころや名所を押さえておくことで、道に迷うことなく観光や自然鑑賞を楽しめます。
春のしだれ桜、秋の紅葉ライトアップなど、季節ごとの風物詩やイベントもあり、足を運びたびに違った顔を見せてくれるのが、王子さんぽ的なおすすめポイントです。
ぜひ観光や散歩の際は、本記事で紹介した見どころ情報を参考にしてみてください!
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