東京都内の「小京都」とは、京都さながらの風情や和を感じられる街並みを表す言葉ですが、王子さんぽは、「思わず京都っぽい」と思えるような場所と定義して、より主観的なスポットを紹介します。
まるで京都の「ねねの道」を歩いているかのような風情ある街並みや、東寺にも負けない五重塔、伏見稲荷さながらの連なる鳥居など、都内の至るところに「小京都」を感じるスポットはありました。
その中から都心からのアクセスしやすさも考え、23区内、23区外に分けてお伝えするので、お出かけの参考にしてみてください。
【東京都内の小京都】アクセスしやすい23区内編

都心からアクセスしやすい小京都なら、東京23区内のスポットを巡るのがおすすめです。
ビルが立ち並ぶ街から徒歩圏内とは思えないほどの風情あるお寺や、街並みそのものが小京都のエリアまで、和を感じられるスポットをみていきましょう。
【東京都内・小京都】京都にも負けない三重塔がある「豪徳寺」

小田急線豪徳寺駅から徒歩15分、東京都世田谷区にある「豪徳寺」は、招き猫発祥の地としても知られる曹洞宗の寺院です。彦根藩主・井伊家の菩提寺でもあり、国の史跡にもなっている井伊家のお墓も境内にあります。
そんな「豪徳寺」の小京都たるゆえんは、境内にそびえ立つ三重塔と周辺の木々が織りなす風情ある景色です。
2006年に修理された高さ22.5mの塔は、真下から見ると圧巻の迫力です。塔の中には、釈迦如来像、迦葉尊者像、阿難尊者像、招福猫児観音像が安置されています。小京都と呼ぶにふさわしい歴史ある建築、自然に触れられるのが豪徳寺の魅力です。

「豪徳寺」は、小京都としてだけでなく招き猫発祥の地としても有名です。豪徳寺では彦根藩主の井伊直孝が、猫の手招きによって幸運に見舞われた逸話に習い、福を招いた猫を「招福猫児(まねきねこ)」と呼んでいます。
境内の招福殿は、開運のご利益を求めて多くの方が参拝に訪れるパワースポットです。海外からの観光客も多く、国内外問わず小京都としての魅力を感じられることが伺えます。
豪徳寺の詳細情報
【住所】東京都世田谷区豪徳寺2-24-7
【電話番号】03-3426-1437
【拝観時間】6:00~17:00(社務所は8:00~15:00)
【定休日】年間通して参拝可能
【東京都内・小京都】小京都にふさわしい絶景「九品仏浄真寺」

「九品仏 浄真寺」(くほんんぶつ じょうしんじ)」は、東急大井町線から徒歩3分、観光地として人気の自由が丘からも徒歩で向かえる寺院です。
京都の国宝「浄瑠璃寺」で並んで9体の阿弥陀仏を安置。入口の門をくぐった先に広がる12万平方メートルの広大な境内には、枯山水の日本庭園や歴史を感じられる本堂など、東京23区内の小京都にふさわしい景色が広がります。

自然豊かな境内には、東京都指定の天然記念物である「浄真寺のカヤ・イチョウ」があります。秋になると本堂と色づいた木々、枯山水の庭園と紅葉という都内とは思えない絶景を楽しめます。
時期を問わず京都のような風情を感じられますが、特に王子さんぽ的には秋の参拝がおすすめです。
九品仏浄真寺の詳細情報
【住所】東京都世田谷区奥沢7丁目41-3
【電話番号】03-3701-2029
【参拝時間】6:00~16:30(社務所は9:00~16:00)
【定休日】年間通して参拝可能
【東京都内・小京都】京都を思わせる庭園美「六義園」

小小京都と聞かれると和をイメージする方は多いはずです。東京都文京区駒込の「六義園」では、年間を通して優美な庭園を鑑賞できます。
1695年に徳川綱吉の側用人だった柳沢吉保により造園された「六義園」は、京都の「桂離宮」の庭園様式を採用した回遊式築山泉水庭園です。昭和28年3月31日に国指定の特別名勝に指定されるほどの名園は、都内の小京都を巡るときに欠かせないスポットといえます。

六義園を訪れたとき立ち寄ってほしいのが標高35mほどの「藤白峠」です。六義園屈指の絶景ポイントからは、四季折々に姿を変える六義園全体を見渡せます。
園内には和菓子とお茶を楽しめる茶屋もあり、京都のような和を感じながら小腹を満たせるのも嬉しいポイントです。
六義園の詳細情報
【住所】東京都文京区本駒込6丁目16-3
【電話番号】03-3941-2222
【営業時間】9:00~17:00
【定休日】年末年始
【東京都内・小京都】伏見稲荷大社さながらの朱色の鳥居「花園稲荷神社」

JR上野駅公園口から徒歩5分、インバウンドの観光客も多い上野エリアで国内外の方から人気を博しているのが「花園稲荷神社」です。
まさに小京都だと感じたポイントは、神社の境内に連なる伏見稲荷さながらの赤い鳥居です。「花園稲荷神社」では、海外の方が入口付近で写真撮影を楽しんでいる姿がよく見られますが、日本人の私も思わず撮影したくなる美しさでした。
昼までのどこか背筋が伸びるような凛とした空気感も魅力的です。

倉稲魂命(うがのみたまのみこと)を祀る本殿を参拝すれば、五穀豊穣の他にも、縁結びや恋愛などのご利益があるといわれます。
京都というとパワースポットや神社仏閣をイメージする方も多いはず。広大な敷地の上野公園内にあるので、合わせて観光を楽しみましょう。
花園稲荷神社の詳細情報
【住所】東京都台東区上野公園4-17
【電話番号】03-3823-2034
【拝観時間】9:00~17:00(グーグル情報、6:00~との情報もあり、要確認)
【定休日】年間通して参拝自由
【東京都内・小京都】渓谷にある景観豊かな寺院「等々力不動尊」

東急大井町線の等々力駅から徒歩5分、東京都は思えない自然が広がる等々力渓谷内にあるのが「等々力不動尊」です。本堂まで上る階段には、灯籠が立ち並び、京都の鞍馬寺を訪問したときのことを私は思い出しました。
真言宗中興の祖である興教大師が夢のお告げにより開いたとされる霊場の境内には、四季折々の花が咲き、秋には鮮やかな紅葉もみられます。
また、清水の舞台を彷彿とされる展望スポットまで境内にあるのが、等々力不動尊を小京都としておすすめする理由です。
等々力不動尊の詳細情報
【住所】東京都世田谷区等々力1丁目22ー47
【電話番号】03-3701-5405
【開門時間】8:00~17:00
【定休日】年間通して参拝自由
【東京都内・小京都】「神楽坂の石畳」

東京メトロ東西線の神楽坂駅から徒歩すぐの場所に広がるのは、小京都という響きにぴったりな神楽坂の風情ある街並みです。賑やかな神楽坂通りから「兵庫横丁」をはじめとする横丁に入ると、石畳の道が出迎えてくれます。
花街として栄えた名残を今にも残している貴重な街並みは、散策するだけでも楽しめますが、点在しているレストランや料亭に立ち寄りグルメまで堪能するのも良いでしょう。

神楽坂を訪れた方にぜひチャレンジしてほしいのが、特別なタイル探しです。石畳に隠されたタイルはハート・ひし形・星型の3つ。京都のような街並み散策と合わせて、ゲーム感覚で楽しんでみてください。
神楽坂の石畳の詳細情報
【住所】東京都新宿区神楽坂
【営業時間】散策自由
【東京都内・小京都】26の仏教寺院が立ち並ぶ小京都「烏山寺町」
京王線の千歳烏山駅から徒歩15分の「烏山寺町」は、26の仏教寺院が集まり、東京都内の小京都といわれるスポットです。
静けさと和を感じられる街並みを散策するのはもちろん、弁天池と朱色の橋が織りなす景色がせたがや百景に選出されている「高源院」のような寺院巡りをするのも良いでしょう。
王子さんぽ的におすすめなのは、本堂の正面に竹林が広がる「妙壽寺」。京都の嵐山エリアを散策しているかのような竹林の道は、非日常すら感じれますよ。
烏山寺町の詳細情報
【住所】東京都世田谷区北烏山2丁目~6丁目
【東京都内・小京都】歴史や自然に触れられる23区外編
東京都内の中でも23区外にある小京都は、歴史に触れられる寺院や23区外だからこその自然を感じられるスポットなどがあります。
誰もが知っている高尾山のような王道スポットから、意外と知られていない京都っぽい場所まで、王子さんぽが紹介します。
【東京都内・小京都】武蔵野の森で感じる歴史情緒「深大寺」

調布駅から徒歩25分、バスで10分の「深大寺」は、733年に満功上人(まんくうしょうにん)によって開創された寺院と武蔵野の自然に触れられる23区外の小京都です。深大寺の門前に広がる参道には、老舗やお土産店が並び賑わいを見せます。
街の至るところに清流が流れていて、武蔵の自然と歴史の調和が取れた景観は、散策しているだけで癒やされます。

京都というと「にしんそば」のようなグルメを思い出す方も多いはず。清流の流れる深大寺の名物は「深大寺そば」。
創業60年を超える「深大寺そば 青木屋」をはじめ、参道には名店、老舗がズラッと並びます。お寺の参拝や散策と合わせて、名物グルメを堪能するのもよいでしょう。
深大寺の詳細情報
【住所】東京都調布市深大寺元町5-15-1
【電話番号】042-486-5511
【参拝時間】6:00~17:00(社務所は9:00~17:00)
【定休日】年間通して参拝可能
【東京都内・小京都】醍醐寺を彷彿とされる大伽藍「高幡不動尊金剛寺」

京王線高幡不動駅から徒歩5分の「高幡不動金剛寺」は、京都の醍醐寺を彷彿とされるような大伽藍の寺院です。広い境内には、重要文化財に指定された「不動堂」「仁王門」といった建築や、京都でも限られた神社仏閣にしかない五重塔までそびえ立っています。
紫陽花や紅葉の名所としても知られていて、貴重な建築だけでなく日野市の自然にも触れられるのが魅力的です。
高幡不動金剛寺の詳細情報
【住所】東京都日野市高幡733
【電話番号】042-591-0032
【参拝時間】7:30~17:00
【定休日】年間を通して参拝自由
【東京都内・小京都】新東京百景に選ばれた絶景「竹林公園」

「竹林公園」は、西武池袋線東久留米駅から徒歩10分の住宅地に突如現れる小京都です。
京都っぽい景色といわれて浮かぶものの一つが竹林という方は多いはず。1974年にもともとあった竹林を活かして開園した公園内には、約2000本もの孟宗竹が植えられています。
新東京百景に選ばれているのも納得の景色は、小京都と呼ぶのにぴったり。特に立派な石垣や左右にそびえる竹林を眺めたりできる遊歩道を歩けば、東京にいることを忘れてしまいそうになるはずです。ちなみに、公園内にはベンチもあるので、美しい竹林を眺めながらの休憩もできます。
竹林公園の詳細情報
【住所】東京都東久留米市南沢1-7
【電話番号】042-470-7753
【営業時間】常時散策自由
【東京都内・小京都】龍安寺のような枯山水「玉堂美術館」

穴場の小京都としておすすめしたいのが「玉堂美術館」です。近代日本画の巨匠・川合玉堂の作品を所蔵を所蔵する美術館があるのは、東京都内でも自然豊かな青梅市。
秋には美術館周辺が紅葉スポットになり、優美な自然を身近に感じられるにもかかわらず、JR御嶽駅から徒歩3分という好立地にあります。
数奇屋建築の名手である吉田五十八氏が設計した美術館は、奥多摩の自然と調和が取れていて、建築そのものも魅力の一つです。
また、館内には京都の龍安寺さながらの枯山水庭園もあり、都内にいるとは思えない景色と美術を一度に鑑賞できます。
玉堂美術館の詳細情報
【住所】東京都青梅市御岳1の75
【電話番号】0428-78-8335
【営業時間】10:00~17:00(12〜2月は16:30まで)
【定休日】月曜日(祝日の場合は翌日)
【東京都内・小京都】山下に広がる街並みが魅力的な「高尾山」

京王線の高尾山口駅から徒歩3分の「高尾山」は、山下に広がる街並み、山の中の寺院、それぞれが小京都としての魅力にあふれるスポットです。
標高599mの山なので登山初心者でも訪れやすく、ロープウェイやリフトを活用すれば、歩くのが苦手な方でも、比較的楽に山頂までたどり着けます。
また、高尾山周辺には日本料亭や老舗の蕎麦店が点在しているため、京都のように歴史や和を感じつつ、食事を楽しめるのがおすすめポイントです。

鞍馬山を歩いた時を思い出すかのような光景が、高尾山の中には広がっていました。山中には「高尾山薬王院」というお寺もあるので、登山と合わせて参拝を楽しめます。
金運・勝運・開運などのご利益が期待できるパワースポットが山の中にある点も、寺社仏閣が集まる京都に似ていると思えるポイントの一つです。
静かに空間を小京都というより、程よく体を動かしながら自然や歴史に触れたい方は、高尾山に足を運んでみましょう。
高尾山の詳細情報
【住所】東京都八王子市高尾町
【電話番号】042-673-3461
【営業時間】徒歩なら24時間入山可能
東京都内の小京都で気軽に旅行気分を味わおう
東京都内にある小京都を訪問すれば、京都まで足を運ぶ時間がないときでも、気軽に旅行気分や非日常を感じられます。
王子さんぽでは、京都のような街並みのエリアだけでなく、神社仏閣や枯山水のような庭園にも注目。京都に何十回も足を運んでいる私自身が「京都っぽい」と思った場所のみを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください!
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