増上寺は歴史ある徳川家ゆかりのお寺です。安国殿に安置されている黒本尊は、徳川家康が深く信仰したといわれ、勝負運や厄除けのご利益・効果があるといわれます。
また、東京を代表する観光スポット、東京タワーの麓という好立地にあり、一年を通して多くの参拝客が訪れるパワースポットです。
そんな増上寺のご利益から特徴的な黒いお守り、観光するときの見どころまで徹底解説します。ぜひ、参拝時の参考にしてみてください。
増上寺はどんなところ?歴史を解説!
増上寺は、600年を超える歴史を誇る徳川家ゆかりのお寺です。浄土宗の七大本山の1つに数えられるお寺の開山は、1393年にまで遡ります。
酉誉聖聰(ゆうよしょうそう)上人によって開山され、室町時代から戦国時代までは、浄土宗の東国の要、安土桃山時代以降は徳川家の菩提寺として栄えたそうです。
1598年には、千代田区平河町から麹町から、現在の地に移転。江戸幕府設立後の徳川家康の保護を受けて、増上寺は大隆盛と向かいます。
現代でも、徳川家将軍墓所や、勝負運のご利益があるといわれる黒本尊など、境内には歴史を感じさせる見どころが満載。国内外の観光客から人気のパワースポットとなっています。
ご利益ある人気スポット!増上寺の観光情報
増上寺は、観光名所の東京タワーすぐ側にある浄土宗のお寺です。
厄払いや健康祈願、勝負運まで、さまざまなご利益を求めて、多くの参拝客が訪れます。特に初詣の時期は、境内は参拝客で賑わい、出店もズラッと並ぶほどの人気ぶりです。
境内にはメインとなる本堂の他にも、見逃しがちなスポットが満載。散策は基本的に無料ですが、「増上寺宝物展示室」は一般700円、徳川家墓所は一般500円がかかるので注意しましょう。
観光にかかる所要時間は、メインスポットのみなら30分、境内をぐるっと回ると1時間以上かかったので、お出かけときのご参考にどうぞ。
増上寺の基本情報
- 【住所】東京都港区芝公園4-7-35
- 【参拝時間】6:00〜17:30
- 【定休日】なし
- 【TEL】03-3432-1431
- 【駐車場】なし
増上寺のアクセス情報
増上寺は、さまざまな路線の駅から徒歩でたどり着けます。一般向けの駐車場は完備されていないため、基本的に公共交通機関を使うのがおすすめです。
また、周辺には「東京タワー」や緑豊かな「芝公園」といったスポットもあるため、合わせて観光をしてみるのも良いでしょう。
電車でのアクセス
- JR線・東京モノレール 浜松町駅から徒歩10分
- 東京メトロ日比谷線 神谷町駅から徒歩10分
- 都営地下鉄三田線 御成門駅、芝公園から徒歩3分
- 都営地下鉄浅草線・大江戸線 大門駅から徒歩5分
- 都営地下鉄大江戸線 赤羽橋駅から徒歩7分
増上寺のご利益とは?歴史や観光の見どころまで解説
増上寺は、600年以上の歴史を誇る徳川家ゆかりのお寺です。近年では、大殿と東京タワーが織りなす景色が写真に映えることから、国内外の観光客から人気を博しています。
そんな増上寺を観光するとき、そのご利益や歴史を知っていれば、より境内巡りを楽しめるはずです。そこで、王子さんぽでは、増上寺の見どころを余すことなく解説していきます。
1.増上寺は境内に入る前から見どころが満載
増上寺は境内に入る前から見どころが満載のお寺です。
JR浜松町駅から増上寺への道を歩いていると大きな赤い門が目に入ります。駅名にもなっている大門は、増上寺の旧総門です。
歴史を遡ると、江戸時代には約25万坪もの広さを誇った増上寺。ちなみに現在の境内入り口に建つ三解脱門から東の大門までの距離は煩悩の数と同じ108聞(約195メートル)です。
明治初期の神仏分離の影響で、寺領を縮小されるまでは子院がこの辺りまでズラッと並んでいました。ちなみに、長らく東京都に寄付されていた大門ですが、2016年に東京都から増上寺に変換されています。
増上寺を訪れた多くの観光客を出迎えるのが、三解脱門(三門)です。都内有数の歴史と、東日本最大級の大きさを誇る希少な門は国の重要文化財に指定されています。
また、三解脱門とは、三つの煩悩「むさぼり、いかり、おろかさ」から解脱する門のことだそうです。門の内部は基本的に非公開ですが、期間限定で一般公開が行われるときがあるため、内部が気になる方は見逃さずにチェックしてみるのが良いでしょう。
意外に見逃しがちなスポットとして紹介したいのが、境内入り口付近にある「グラント松」です。
存在感のある巨木は、米国第18代大統領グラント将軍が参拝した際に、植樹されました。歴史的な現場にも多く立ち会ってきた増上寺には、中央の大殿を参拝する前にもさまざまな見どころがあるのが魅力ですね。
2.正しいマナーで参拝「大殿(だいでん)と東京タワー」
増上寺を訪れた多くの観光客が写真に納めるのが、大殿です。後ろにそびえる東京タワーと大殿を一枚に収めた写真はフォトジェニックな仕上がりに。
そんな増上寺ですが、写真撮影のみで帰ってしまう方も多く、大殿や安国殿を参拝せずに帰ってしまう方も多いそうです。
まずは、大殿のご利益のある御本尊に手を合わせた上で、境内の参拝を楽しむようにしましょう。
大門から大殿までまっすぐ伸びる道は、穢土(えど)から極楽浄土に至る世界を表しています。遠くから眺めても壮観な増上寺の大殿は、極楽浄土の世界を視覚的に表したものになっています。
大殿は、大本山の念仏の根本道場として、さまざまな儀式法要ができる設計になっており、首都圏では最大級の御堂です。階段を上った先にある本堂内には、室町時代に作られた御本尊の阿弥陀如来像、左に法然上人、右に善導上の坐像が安置されています。
ちなみに御本尊の阿弥陀如来像は、東京都の指定文化財です。
増上寺の本堂内は撮影禁止のため、ぜひ足を運んで御本尊を参拝してみてください。増上寺は浄土宗のお寺のため、合唱して南無阿弥陀仏と唱えながら静かに一礼しましょう。極楽浄土に迎え入れてもらえるというご利益があるそうです。
ちなみに、大殿の隣には「光摂殿(こうしょうでん)」、大殿の裏手には、徳川14代将軍、徳川家茂の正室、皇女和宮ゆかりの茶室「貞恭庵(ていきょうあん)」といったスポットもあるため、時間がある方は境内散策をして立ち寄ってみましょう。
3.歴史を感じるなら「徳川将軍家墓所」
増上寺の境内には歴史好きなら一度は立ち寄りたい「徳川将軍家墓所」があります。境内に三つ葉葵が見られる増上寺は、徳川家もそのご利益を求めて信仰したお寺です。
戦災にて焼失した旧徳川家霊廟の代わりにご遺体が改装された墓所内には、家忠、家宣、家継、家重、家慶、家茂、6人の将軍が眠っています。また、正室や側室など、関係者も含めると、その人数は38人にもなります。
墓所の中は、写真撮影禁止と書かれていた時期もあるようなので、内部はぜひ実際に足を運んで確認してみてください。
拝観時間は、平日11:00~15:00、土日祝は、10:00~16:00までとなっています。入場には500円です。
ちなみに、徳川家将軍墓所のチケットには、「徳川将軍家旧御霊屋 絵葉書」もついてきますよ。
4.黒本尊は勝負事のご利益あり!「安国殿」
増上寺の大殿の並ぶ見どころとして、著者がおすすめするのが「安国殿」です。普段は、法要や各種祈願に利用されています。
安国殿の中央付近に安置されている黒本尊は、恵心僧都の作と伝えられる秘仏です。黒く存在感のある御本尊は、徳川家康も拝んでいたと伝えられます。
天下統一を果たした家康が参拝していたことから、黒本尊には勝負運や厄除けのご利益があるそうです。
また、秘仏とされる御本尊が開帳されるのは、1月と5月、9月の各15日の年3回だけとなっています。
5.ご利益あるお守りに運試しのおみくじ
増上寺観光の楽しみ方の1つがおみくじと、ご利益あるお守りの購入です。この日は初詣で訪れる方が多かったため、特設エリアにおみくじが置かれていましたが、通常は安国殿内で引けます。
増上寺のおみくじの魅力は、おみくじだけでなく、開運のお守りまで付いてくる点です。
著者が引いたおみくじは吉でした。そして同封されていた開運お守りの打ち出の小槌は、振れば財宝が出たり、願いが叶ったりする縁起の良いアイテムです。
開運お守りは数種類あるので、おみくじの結果と合わせて、開封するまでのお楽しみです。
増上寺は、厄除けや勝負運のご利益が有名なお寺です。何種類もあるお守りの中でも人気なのが、安国殿の黒本尊にちなんだ、真っ黒な勝運御守。徳川家康も祈願に来ていた歴史あるお寺のご利益にあやかりましょう。
その他にも、健康運や良縁祈願、交通安全など、ご利益ごとに分かれた、さまざまなお守りが揃っているので、自分の願いに合わせて購入しましょう。
6.観光で立ち寄りたい境内の見どころ
観光名所としても人気の増上寺の広い境内には、さまざまな見どころがあります。
その1つが「千躰子育地蔵尊」です。安国殿のそばにズラッと並んでいるお地蔵様は、子供や孫の成長や、安産祈願を願って建てられています。
帽子や前掛け、風車を身に着けたお地蔵様の穏やかな姿を見ていると、微笑ましい気持ちになれます。
お地蔵様のそばにあるお堂には、「西向聖観世音菩薩」が安置されています。この菩薩像は、鎌倉時代の執権、北条時頼公が観音山(現:東京タワー)に建て、鎌倉街道方面に向けて安置したという観音様です。
子育てや安産、開運のご利益があるので、子供連れの家族や、新しい命を宿している方は、ぜひお参りしてみてください。
増上寺を散策して一休みしたいときに立ち寄りたいのが「TERA CAFE SHIEN ~ZOJOJI~」です。和洋さまざまなお菓子や、コース料理まで楽しめるおしゃれなカフェは、観光やデートで立ち寄るのにもピッタリ。
著者のおすすめは、嬉野茶を丁寧に抽出したお茶と、国産栗100%使用、きめ細やかな舌触りが魅力的な「生搾りモンブラン」です。
営業時間は10:00~17:00、年中無休で営業しているので、ぜひ足を運んでみてください。
1633年に建てられたものを、戦後に復元したのが鐘楼堂(しょうろうどう)です。お堂の中に収められている大梵鐘は、江戸三大名鐘の一つに数えられていました。
江戸に鋳造されたものの中で、最も古く、高さ約3.3m、直径約1.8m、重さ約15tという関東最大級の大きさを誇ります。
「熊野(ゆや)神社」は正誉廓山上人によって、境内の鬼門に勧請された神社です。見逃しがちなスポットなので、増上寺観光の際は、ぜひ立ち寄ってみてください。
ちなみに熊野神社には家庭円満や夫婦和合、長寿、などのご利益があるといわれています。
増上寺と合わせて行きたい観光スポット
増上寺と合わせて立ち寄りたい観光スポットを紹介します。
東京を代表する名所の「東京タワー」や、豊かな自然を感じられる「芝公園」といった、徒歩圏内の魅力的なスポットに足を運んでみましょう。
1.「東京タワー」
増上寺から徒歩10分、東京を代表する観光名所が「東京タワー」です。増上寺からも見える都内のシンボル的なタワーは、地上333mという高さを誇ります。
夜になるとライトアップが行われる美しいタワーには、展望台やフットタウン、トップデッキツアーなど、さまざまな見どころがあります。
特にトップデッキから眺められる都内を一望できる景色は、ここからしか見られない絶景です。
ちなみにタワー内には、「タワー大神宮」と呼ばれる、縁結びや学業成就のご利益が期待される穴場スポットもありますよ。
2.「芝公園」
増上寺周辺で、自然に振れたい方には「芝公園」がおすすめです。上野、浅草、深川、飛鳥山とともに、日本ではじめての公園として指定された歴史あるスポットです。
当初は増上寺の境内を含む、広大な敷地の公園でしたが、明治初期の神仏分離により、現在の広さになっています。
公園内には、さまざまな運動器具やスポーツ施設があるだけでなく、四季折々の自然まで楽しめるのが魅力です。
見どころ満載!ご利益ある増上寺で観光を楽しもう
増上寺は、徳川家ゆかりの歴史あるお寺です。観光名所としても人気のお寺には、ご利益のあるお守りや、徳川家の将軍が眠る墓所まで、歴史好きの心をくすぐる名所が点在しています。
東京タワーや芝公園といった周辺スポットと合わせて、観光を楽しんでくださいね。
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